2021月3月4月_聞いた音楽たち
さぼってました、やります
・FEELIN’GOOD/ALI,梅田サイファー
文句なしにかっっっっっっこいい音楽が聞きたい人はこれを聞いて!!!
説明不要、メッセージ性も不要、言いたいことはシンプルに俺たちはかっけえ
ロックもヒップホップも音楽なんてそれで充分すぎるのかもしれん
・SING A SONG/Mics‼
友達に紹介した流れで改めて腰を据えてきたんだけどやっぱりこれが大好きだ…!
内緒話みたいな密やかな滑り出しからのキラッキラのサビ。青春…エモ…!本当にこの曲の落ちサビは何度聞いても胸が詰まってしまう。
全体的に高めの音でキープされているので可愛らしいボーカルを摂取できるのも良い
・Off With Their Heads/Mori Calliope
森カリオペちゃん、エミネム歌ってたのきっかけで知ったんだけどオリジナル曲めっちゃかっけーしかわいいしでつよつよ
自己紹介ラップも好きなんだけど、この曲の和なアレンジとカリオペちゃんのバリバリキレキレラップが互いを乗算しまくってて良い
・ハイライト/SUPER BEAVER
舞台、青空ハイライトめちゃくちゃよかったなー!!
オーディション番組の時から友達の推しを応援して見てたんだけど舞台どうなるかはらはらしてたけど本当に良かった!!
「圧倒的な感動と圧倒的な感情」って歌詞がすごい好きなんだけど、舞台ってまさしくこの二つで表せてしまうなあって思った。
・Lonely/大沼パセリ
滑り出しはゆったりで語る系かなと思って聞いてたらBメロが三角形に弾けるリズムに動いて、サビに入るとリズムは平たんに戻るけど音色がポップになってて~といろんなパーツが揃っててそれがちゃんと収まるところに収まってる
サクッと聞けて耳心地が良い
ジャケ写みたいなキラキラ光る夜の街で聞きたい
・楽園/フジファブリック
凄い久しぶりにフジファブリック聞いたけど、色々あってこの編成になって爽やか路線になったな~って印象だったのがこの曲は私が一番好きだったフジファブリックの何とも言えないヌメヌメした音がすごく出てて懐かしい気持ちになった
・いい女をよろしく/寺嶋由芙
イケてない時はイケける曲を聞きましょう
冒頭の「メチャ…イイオンナ!」の合いの手の時点でだいぶ好きなんだけどAメロBメロのなんとも言えないうだつの上がらなさ、不幸な訳ではないけど絶妙にノれてない感じわかる…からのサブの振り切ったいい女!私いい女!っていう言い聞かせて繰り返して自己肯定感爆アゲマインドはいつ聞いても最高 私もこうやって生きる~~~~
人間イケてないときは心の中くらいこれでいい
ディスコっぽい音もアゲアゲで良い
・次やったら殴る/トリプルファイヤー
ダウナーな自己肯定感ソング
陰キャ1000万人が共感できる歌詞なので歌詞だけでも読んで 絶対爆発的にはやる曲ではないけどはまる人にははまるしはまらない人の耳にも絶対残る曲
・One Last Kiss/宇多田ヒカル
宇多田ヒカルにうねり、この曲に感情を振り回され続けた3月だった。
視聴の時に聞いた歌い出しの「初めてのルーブルはなんてことは無かったわ」が余りにも圧倒的なのにその後に続くのが「私だけどモナ・リザもうとっくに出会ってたから」なのが本当に凄い 息をのんでしまった
ルーブルもモナ・リザも固有名詞として全世界的に知れ渡っていて、物凄く限定的なものを指す言葉なのになんてことない、私だけの、とっくに出会ってたと連ねるとこんなに本来の言葉から飛躍して世界が広がるのか…
言葉だけじゃなくて音もあくまでシンプルに飾ってあるのに鏡合わせみたいな奥行きで1つの曲として完成されているのに、そこにシン・エヴァの物語が乗っかる隙間があるの凄まじ過ぎる
・Buautiful World~Da Capo VerSion~/宇多田ヒカル
宇多田ヒカル凄いシリーズ2
こっちはシンエヴァを見て震えてください、としか言えないアレンジ
私はこの低く刻むビートが心臓の鼓動に思えてしょうがない
途中からストリングスが所々入るのも凄い好きだな~~軋んだ音が悲鳴みたいだ
2021月2月_聞いた音楽たち
・優しくって少しバカ/嵐
若い!すべてが若い!
ジャニーズの人たちは基本的に皆甘めの声をしてるなと認識してるんですけど、腰を据えて聞くとちゃんと同じ系統の声が集まっているのにそれぞれに個性があるので不思議。(同じ声の系統でグループ組むのはユニゾンで歌うときにハモリよりも調和を優先してるのかなーという素人考え)
サビの音階にめちゃくちゃ聞き覚えがあるんですが、思い出せません
誰か情報ください
・One Day/Omoinotake
高い音域の声だけどナヨナヨしていなくて男臭い声質なのは凄く貴重な気がする。どんなバンドもそうだけど、鍵盤が入るとグッと表情が豊かになるな~
何となく、ペルソナ(ゲーム)を思い出す音をしている サビとか特に
・EDEN/Tempaly
意味なんてないのでこの気持ち悪いのに気持ちいい音楽を全身で浴びて楽しめ!!との思いがバシバシに感じられる ムンクの叫びにBGM付けろって言われたら私はこれを選びます
いっそここまで来るとじゃあインストでも良いのでは?と一瞬思ってしまうけれど、メッセージ性とかなくて意味の無さそうな歌詞がこの音にのることによってボーカルが楽器として機能するのかなと思ったり
何言ってるのかわからないと思うので是非聞いてね
・1619khz/Chouchou
これは6分間に凝縮されたホラーなので定期的に摂取して不安な気持ちになろう
好きだけど怖い ほんこわ的な怖さ(ちゃんと曲なので安心してください)
・コクーンさん/ジェニーハイ
川谷絵音は本当に無限に音楽と言葉が出てくる人だな…
曲を書く相手によって同じようなざっくりとしたテーマでも描いている人間像が全然違うので貴方の中に人間の引き出しが一体いくつあるんだろう…
後ほんと言葉選びがすごいよね なんたって歌いだしが「熟年」だもん…
イッキュウさんのボーカルとピアノの相性がめちゃくちゃ良いと思う
ジェニーハイ、めっちゃ良いバンドなのでずっと活動して欲しいな
・萌えってかエモ/わーすた
わーすた、猫耳つけてへんてこな曲歌ってるイメージで止まってたので、最近歌うまアイドルとして紹介されてて????してましたがめちゃくちゃ歌よくなっててびびった…
この曲ライブ動画が公式に上がってますがマジでとんでもねえな!
曲のテーマの根っこはへんてこしてた頃を彷彿とさせるものがあるけれど、そういえばまだ誰も手を付けてないんじゃない!?みたいなところで兎に角、着眼点が良い
後、系統変わってもちゃんと猫耳付けてアイドルアイドルした衣装なのも良い
・歌姫は海で/クジラ夜の街
久々の、これは革命だ!感
童話みたいな歌詞にポップとバンドを右往左往する転調
一つ間違うともっとロマンチックに媚びた仕上がりになりそうなところをドラムが舵取りをしていてちゃんとバンドとして成り立っている。
好みの問題だけどボーカルがちゃんと言葉をはっきり音にするタイプなので歌詞がストレスなく聞き取れるのも良い。
めっちゃ身もふたもないこというと二次創作ヲタクが好きそうな曲と歌詞
・創造/星野源
最初聞いた時は、あぁゲームの音使ってるんだなるほどね、くらいにしか思わなかったのにPV頭の演出がゲームキューブ起動のオマージュって知ってそこから腰を据えて聞いてみたら本当に細かく音が散りばめられまくっていて、しかも殆どの音は公式さんから音源もらったのを当てはめてるのではなくて、アナログシンセで弾いたとラジオで話しててたまげた
しかもこれドラマ2本撮影してる合間に作業したらしいのでもう音楽の変態だよね
ものつくりをする人(任天堂)へのリスペクトと遊び心へのギアのぶっ壊れ具合がいっそ恐ろしいくらい
・かくれんぼっち/牧島輝
大前提として声がめちゃくちゃ良い!
高いところだけじゃなくて低いところもちゃんと響きがあって、聞いていてすごく気持ちがいい!
曲は流行りの所謂YOASOBIとかその辺のテイストみ強いんだけど歌ってる人が落ち着いてると全然違うんだな…
男の人に、一人称が「私」の曲を歌わせるのすごく好きです。
この先もいろんなジャンルの曲に挑戦してもらいないなあと思ってたら2曲目はバリバリ乙女ゲ古典曲で雰囲気全然違うのに歌いこなしててびびった
役者さんだなあ
・pray/赤い公園
サビが特に好きで、「it`s Honesty 君が好き」っていうシンプルな言葉で韻を踏むところとか「君の旅がどうか美しくありますように」で締められるのメロディも相まって慈愛すら感じる
ボーカルの理子ちゃんのちょっとハスキーな不思議なひっかりがあるのに透明感がある声はこういう曲にめちゃくちゃ映える
1番丸まるシンプルなピアノのメロディが一転、2番になると他の楽器が入ってきて景色がぱっと変わったようにも思えるし、訣別にも聞こえてしまう。
シンプルだからこそ優しい音楽に、聴く人がそれぞれのタイミングで意味を見つけられるのかも
ガールズバンドをあまり聞かない私が、ずっと聞き続てたのは唯一赤い公園です
赤い公園って、素敵なバンドなんですよ
2021年1月_聞いた音楽たち
Twitterのフリート機能で聞いた音楽についての感想をぺこぺこ書いていたんだけど、ふとこういうの纏めといてもいいのかなあと思ったので今年はそれをここに纏めてこうかと思います。
フリード時から文章ちょっと改変あり。当たり前ですが音楽的な知識は浅く素人なので専門家からみたらきっと的外れな発言あります。
後、私が聞いたタイミングで書いているので新譜でもなんでもない曲が多いです。
基本Spotifyで聞いてる音楽なのですが、聞きやすいようにSpotifyリンクも貼っておきます。みんな音楽を聴くんだ。よろしくお願いいたします。
前置きは以上。
・シークレットコード/BRADIO
久しぶりにBRADIO聞いてるけどノリノリファンクも勿論お家芸!って感じで良いんだけどこういう大人セクシーで色気むんむんの雄!って感じだけど不思議といやらしくなりすぎない、健康的な歌が歌えるのこのバンドの強みだな、と思う。
・丸い真理を蹴り上げて、マリー。/w.o.d
ガンガンにボリューム上げてめちゃくちゃにスピード上げた車の中で聞く曲だ!もしくはきったねえちっさいライブハウス。
リズム隊の音が最高に気持ちいいのでこれだけで満足できてしまうのにそこに乗っかるボーカルの泥臭さ。ざりざりした音になっているのもよい。
・スカート/大沼パセリ
シティポップだけどしっかりJポップしてて良!
調べたらこの方ボカロ出身のらしいんだけど良い意味で音と譜割にボカロっぽさがなくて(言われてば歌詞の韻の踏み方はちょっと片鱗があるかも)引っ掛かりがなく聞ける。ちゃんと生身の人間が歌う曲になってる。
寒い夜の散歩で聞きたい、深夜ドラマのEDとか似合いそう。
・Fist Step/長瀬麻奈(CV:神田沙也加)
今見てるアイドルアニメの曲。予備知識なしに聞いた際にべらぼうに歌がうまく伸びがあり声に芯があり声が通る、これはいったい何者だと思ったら神田沙也加さんでした。すげー。
私の中で神田さんはミュージカル畑の人ってイメージだったけれど、発生が全然ミュージカルしてなくて自分の技量を押し出しつつギリギリアイドルで通る瀬戸際を攻めててすごいなぁ。YouTubeにご本人がパフォーマンスしてる動画もあるんですがとても可愛らしいのに圧倒的余裕と貫禄でした。
勿論、曲もいいです。サビがめちゃくちゃ頭に残るんですけど、このサビの盛り上がりのための布石がちゃんと機能する。
・トーチソング/ズーカラデル
私のサーチ不足かも知れないが、何となくこういうカントリー?キャラバン?っぽい音楽少なくなってるのは気のせい?
毒気のない音楽に難しいことは言わないけど浅はかではない歌詞が聞きやすい。人を感動させるドラマチックさはないけれど疲れた時やストレスを抱えている時に寄り寄り添うのは本当はこういう牧歌的な曲なんじゃないかな。
・Crazy Crazy/星野源
好きな星野源の話をします。
そもそもこのYELLOW DANCERってアルバムが物凄い名盤なんですけど。
ピアノでとるリズムもサビで入るクラップも、落ちサビで入る静寂も全部が全部カチッとはまって気持ちいい!鍵盤がリズムの主役になっている曲、好きだ~!
音が着飾りすぎでいないので、星野源の歌声が甘くてでもさっぱりで聞き心地いいなぁと実感出来るのもポイント高い。
星野源の曲、星野源は本当に音楽が心の底から好きなんだなあと思えるものばかりなのも良いですね。
・就寝御礼/PSYQUI
Vちゅばの歌ってみたきっかけで知ったけれど原曲めっちゃいい!軽く調べた感じだと音ゲに楽曲提供とかしてる人っぽい?
落ち着いた男の人の声に女の人のコーラスは王道だけど、だからこそ良。
一つ一つのパーツやテーマはお洒落詰め込みました!って感じなんだけど不思議とさらっと聞ける。
・I LOVE YOUR LOVE/Negicco
久しぶりにNegiccoちゃんと聞いてるんだけどこれめっちゃ良いな!?
この何とも言えないスロウなキャッチーさ、多幸感はどのグループもNegiccoには敵わないんだろうなと思えてまう。
メンバーが年齢を重ねたことで曲もちゃんと大人になってるんだけど、ちゃんと歌声とニュアンスでアイドルの可愛さも忘れてないのがいい。
曲途中のラップと最後に入る控えめな掛け声?がバカ可愛いです。
Negiccoは世界平和。
以上、1月は8曲。
本当はここにフルで聞けるのをめちゃくちゃ楽しみにしていたOne Last Kiss/宇多田ヒカルが入るはずだったんだけど映画の延期と供に発売も延期でしたね…
それにしても映画に合わせて発売を延期するなんて凄く物語へ誠実な対応だな…と思った。フル、楽しみにしてます。
磨田くんへ(日プで私が応援してた子の話)
1.8k舞台の良かった所悪かった所(ヒプステの話)
大事に育てた花が理想以上に咲いた時、人は感動するという話(エーステ秋冬感想)
MANKAI STAGE「A3!」秋冬公演が大千秋楽を迎えました。
本当に本当に見るたびに大好きで最近はめっきりまじめに舞台に通っていなかった私は久しぶりに死ぬ気で通おうと決意する舞台だった。
皆が口をそろえて皆がほめたたえる舞台について今更「面白かった」の感想を聞きたい人間なんてごく少数だと思いますが、自己満足と後はエンターテイメントはかくあるべしを感じたという備忘録でもあります。
そもそも私は春夏公演の時点でA3舞台へのモチベーションがとてもとても低かった。というかそもそもチケットを持っていなかった。理由はいろいろあるけどその辺は割愛させていただく。
ぼんやりと評判を眺めていた時に演出が以前別の舞台ですごく良い演出をするなと思った人だと気が付き、チケットとればよかったなあとつぶやき、それを見た同じくらいのモチベーションの友人が拾ってくれ、無事観劇することが出来た。
実際に見た舞台は期待値を低く見積もっていたことを後悔するくらいとっても良くてその時すでに別の予定が入っいたため噂の「実際の千秋楽で劇中劇の千秋楽をする」という演出をライビュすら立ち会えなかったことは今でも後悔している。
友人とこれは秋冬公演気合い入れてチケットを取ろうと誓い、その誓い通り秋冬公演は無事複数回会場に足を運ぶことが出来た。
私はゲーム上では秋組を贔屓にしているヲタクなので今回の秋冬公演は並々ならぬ緊張をもって挑んだ。
過去にめちゃくちゃ大好きな作品の舞台化2作目が原作隅から読み返せと言いたくなるような出来で、1作目が面白かったからと言ってそのクオリティが続くわけではない、というのを痛いほど学んだからだ。
幸運なこと、そしてありがたいことに心配は杞憂に終わり、本当に本当にいつ見てもどこを見ても楽しくて素敵な舞台だった。
私は割と複数回通うと感情がこなれてくるタイプで、毎公演泣くということは今までほとんどなかったのだが秋冬公演に関してはほぼ毎公演別のシーンで涙を流していた気がする。長らく観劇ヲタクをしている自覚はあるけど中々ない体験だった。
皆が息をのんだ太一の罪を告白するポートレートはいつみても空気のヒリつき方が違い、あそこの所見誰もがウッとなるシーンを絶対に慣れさせないぞという気合を感じた。愛されたかったと願う太一の気持ちを絶対に風化させてやらない
私は今回の公演でこの太一のポートレートからも万里が発破をかけるシーン(「お前はどこの誰だいってみ?」のくだり)が大好きであのセンセーショナルな太一のポートレートに埋もれることなくそして毎公演アプローチを変えながら秋組リーダーとしての摂津万里の役割と成長を演じてもらえたのが本当にうれしかった。あそこはやっぱり直前の太一が凄すぎるので最初見たときは少し心配したのだけれど公演を重ねるごとにバランスに配慮されてて日を追うごとに違う思いで見ることが出来た。
後、万里で言うと劇中劇のベンジャミンが「よほどルチアーノさんのことを信じてるんだね」のくだりで「あいつにいうんじゃねえぞ、俺もだ」と返すところが最後の最後、大千秋楽で全然言い方が変わっていたのにはびっくりしすぎてちょっと引いた。今までは劇中劇の役として返していたセリフだと思っていたけど大千秋楽では摂津万里個人の感情の動きが乗っかているセリフに思えた。
凱旋公演まで見て一番すごいと思ったのは冬組。
冬は元々経験と力量がある人がそろっているとは思っていたけど東京公演では何も感じなかった場面に胸を打たれたことにびっくりした。
私は「死」に関わる悲劇があまり好みではなくそりゃ死んだら悲しいだろと思ってしまうので、ぶっちゃけミカエルの最後はきれいな光景だなあくらいの心の動きだったんだけど、凱旋公演の紬は最後ちょっと大げさなくらいの満面の笑みでそれが凄く印象に残った。
私は演技の上で役者とキャラクターの境界線があいまいになる瞬間がとてもとても好きなんだけれど、A3は劇中劇という装置のせいか、役者とキャラクターとキャラクターが演じる役の3つで構成されてる。それが役者の気持ちの変化とは、舞台の空気とかにうまく合致したからあんなにも毎日その日の空気にハマる舞台だったのかなあと思う。
よく言われる舞台は生もの、という言葉がある。
毎日同じ舞台でもその日の役者のコンディション、受け取りての感じ方で全然違うよね、だから私たちヲタクは多ステするんですよという一種の免罪符だと私は思っている。私も基本的にそのスタンスだし、毎日違うものを見に行っている気持ちではいるし、面白いものは何回見ても面白いとは思ってはいる。いつだって推してる人の演技は見ていて楽しい。
でもどんなに推しがいい演技をしていても、どんなに役者が頑張っても絶望的に適当な脚本や演出がこの世に存在していることを知っている。例え一部のよかったシーンがあれども感情の慣れによって惰性になってしまうことだってあるし、推しの演技は毎日最高だけどその他は褒めるところねーな!みたいな舞台はごろごろある。
面白いものを、面白いままに、毎日違ういいものを、が悲しいことに理想論なのを私は知っている。
そもそもエンターテイメントとは大前提として面白いものに金を出すという行いが健全な行いなはずなのに、悲しいかな現場に一生懸命通うヲタクは所謂虚無の舞台でミリとも面白くない舞台で推しを眺め、作品の感想はうまくかわしつつ「今日も推しくんの演技は最高!」と呟くしかないのだ。悲しい。とても不健全だ。
でもそういう、チケットがだだ余って招待枠が出るような舞台に金を出さずに″推してます″と名乗ることは悲しいことに心が死んでしまうのだ。(とても重要なことだがこれは私個人の感情であり他の方に強要するものではないこともちゃんと理解しているので安心して欲しい)
あと推しが頑張っている舞台で空席が目立つのは普通に悲しい。
頑張って興味のない舞台のいいところを探して、推しを眺め、どうか次の仕事や大きな役につながるように願っていざ大役をつかんだ時には今まで現場に足を運ばなかった人たちが押し寄せチケットが戦争となるのだ…悲しい…。
そういう不健全な行いのサイクルはいつかお客の気持ちを折ることになる。私たちはATMではないし、どんなに稼ぐ人だって資金が一生底を尽きないなんて人はほぼほぼいないのだ。
少し話がずれた気がする。
私がエーステで何より評価したいことは面白い原作が面白いままパッケージングされたこと、そしてそれを役者がちゃんと面白いまま以上に演じてくれたこと、スタッフも役者も作品の人気に甘えなかったことに尽きる。
世の中に面白いものはたくさんあれどそれが面白いままパッケージングされるとは限らないし、原作の良ではさが舞台の出来にそのまま直結するとも限らない。
出来れば世の中のエンターテイメントのすべてが気持ちよくお金が出せるものになればいいなあと思う。
「なにがあっても何がなくても 時計の針はThe Show Must Go On!」
ショマスの好きなところいっぱいあるけど私は特にこの歌詞が一番好き。
一観客である私がいなくても、舞台の幕は今日も上がるし私がこんな風に文章を書いても書かなくても何一つ変わらず時間は進む。楽しい舞台も、残念な舞台も等しく幕はあがる。それは私たちの日常と一緒だ。この歌詞を聞いた時に私たちの日常と舞台との隔たりは案外そんなにないのかもなあなんて考えた。だって舞台はその舞台に立つキャラクターたちの日常なんだから。
人生は何にもない日の方が圧倒的に多い。日々をこなすことに手いっぱいで毎日惰性で生きることだってあるけど、でも出来ることならば惰性の中でも楽しさを見いだせる人間でありたい。
私はいつだって舞台に対して理想を追い求めるし、いつだって日常以上のものが欲しいのだ。
願わくば今日から始まる春単独公演がどうか美しい、そして幕が閉じることを惜しいと思えるような時間であることを祈るばかりだ。